Wifi2026.03.11(更新日:2026.02.09)
SSIDステルスはなぜハンドオーバーの不具合につながるのか
― 多数のアクセスポイントを設置する施設で注意すべきポイント ―
はじめに
介護施設や病院でWi-Fi環境を構築する際、
「セキュリティを高めたいからSSIDをステルス(非公開)にしたい」
というご要望をいただくことがあります。
しかし、アクセスポイント(AP)を複数台設置する施設環境では、SSIDステルスが通信の不安定さを招くケースが少なくありません。
本記事では、SSIDステルスがハンドオーバー(AP切り替え)にどのような影響を与えるのかを、できるだけ分かりやすく解説します。
ハンドオーバーとは何か
ハンドオーバーとは、
- 利用者が施設内を移動した際
- 端末(スマホ・タブレット・業務端末)が
- 電波の強いアクセスポイントへ 自動で切り替わる仕組み
のことです。
介護施設では、
- 見守りシステム
- ナースコール連携
- 業務用タブレット
- スタッフのスマートフォン
などが常時Wi-Fiを利用しており、ハンドオーバーの安定性は業務品質に直結します。
SSIDステルスが引き起こす問題
① 端末がAPを「見つけにくくなる」
SSIDを公開している場合、APは定期的に
「私はこのSSIDです」と電波で名乗っています(ビーコン)。
SSIDステルスでは、この名乗りを行いません。
その結果、端末側は、
- 「このSSIDはどこにあるのか?」
- 「近くに新しいAPはないか?」
を自分から探し続ける必要があります。
② AP切り替えの判断が遅れる
複数AP環境では、
- 電波が弱くなったら次のAPへ切り替える
という判断が重要です。
SSIDステルスの場合、
- 周囲のAP情報が即座に取得できない
- 切り替え判断が遅れる
結果として、
- 通信が一瞬切れる
- 動画やアプリが止まる
- 業務システムが再接続になる
といった現象が発生しやすくなります。
③ 端末がAPに張り付く
特に多いのが、
- 本来は切り替わるべきなのに
- 古いAPに接続し続ける
いわゆる「AP張り付き」です。
これにより、
- 通信速度が極端に遅くなる
- フロア移動時にWi-Fiが不安定になる
といったトラブルにつながります。
多AP構成の施設ほど影響が大きい
介護施設では、
- 地下・1階・2階・3階
- 各フロアに複数AP
という構成が一般的です。
AP台数が多いほど、
- 正確なAP情報
- スムーズな切り替え
が重要になるため、SSIDステルスはむしろ不利になります。
結論
SSIDステルスは、
- ハンドオーバーを不安定にする可能性がある
- 通信品質を下げるリスクがあるため、多数のAPを設置する介護施設・医療施設には推奨されません。
Wi-Fiの安定性を優先するのであれば、
SSIDは公開した状態で、別の方法でセキュリティを確保することが重要です。




