長期休暇後に起こりやすい?ネットワークの「輻輳」とは「渋滞」の事?
ネットワークの「輻輳(ふくそう)」とは、ネットワーク上の「データ通信量」が過剰になり、ネットワークの「処理能力」を超えてしまう状況を指します。この結果、データの送受信が「遅延」したり、通信が「断絶」したりします。
ネットワーク「輻輳」の主な原因 ① 帯域幅が足りない
「帯域幅」とは、データの「通り道(道路)幅」の事です。
帯域幅は1秒間に送信できる転送量を示す単位bps(ビット/秒)で表され、この値が高いほど回線速度も速くなります。
「帯域幅」が広ければ、一度に多くのデータを送信できます。おのずとスピードが速くなります。「帯域幅」の広さが「通信速度」の早さを示すと言えます。
ネットワーク「輻輳」の主な原因 ② アクセスの集中
特定の時間帯やイベント時にアクセスが集中していることが場合が考えられます。
例えば、 WEB会議が特定の時間に集中したり、テレワークが多くの社員で利用されたり、また、個人利用においては、お正月の新年の挨拶による通信量増加などのケースもあります。
ネットワーク「輻輳」の主な原因 ③ ネットワークの設計や機器に問題あり
ネットワーク構成が非効率的である場合や、ルーター・スイッチ・あるいはクライントPC側に速度低下に影響している事もあります。
また、LAN配線の経路を最適化することでネットワーク帯域不足を解消できる可能性があります。
ネットワーク「輻輳」の主な原因 ④ 不適切な優先順位
社内における、データ利用(トラフィック)の優先順位が適切に設定されていない事が原因が考えられます。
「輻輳」問題の現状把握のために
まず、ネットワークの状況と輻輳が起きている現象を整理します。
輻輳が発生しているタイミングは?
特定の時間帯ですか?
イベント時などですか?
影響を受けている範囲は?
特定の部門ですか?
特定のアプリケーションですか?
それとも全社的ですか?
社内の症状を確認しましょう!
ダウンロードが遅い!インターネットが開かない!など通信速度の遅延が起きていますか?
WEB会議が止まってしまう!接続が切れる?
など、具体的な状況をヒアリングします。
現在のネットワーク構成や利用状況を確認しましょう!
ルータ、スイッチ、ファイアウォール、などの位置や接続を把握しましょう。
ボトルネックになりやすい箇所(例: 古い機器や狭い帯域のリンク)を特定しましょう。
使用中の帯域幅や、トラフィックのピークの時間帯を確認しましょう。
どんなアプリケーションが帯域を占有しているか?確認しましょう。
現象を確認し、問題箇所を切り分けていきます。
特定のLANセグメントでの発生ですか?
特定のユーザーや特定の端末での発生ですか?
全社的に発生している場合は、外部要因=ISP(プロバイダー・光回線)の原因も考えられます。
または、不正なセキュリティ侵害の可能性もあります。
技術的な対策と運用管理の最適化
トラフィックが急増する場合に備え、ISPの契約を変更する
複数のサーバーやネットワークルートにトラフィックを分散する
ルータやスイッチに冗長性を持たせ、特定のデバイスに負荷が集中しないようにする。
業務に必要なアプリケーションのみを使用するポリシーを設定する。
業務時間中の動画ストリーミングや不要なデータ転送を禁止する。
社員に対し、輻輳を引き起こさないためのネットワーク利用方法を教育を実施する。
まとめ
これらの対策を組み合わせて実施することで、企業ネットワークでの輻輳を効果的に回避し、安定した運用を実現することができます。