2025.11.19(更新日:2025.11.05)
第2回 防犯カメラの映像流出から考える「セキュリティの盲点」
~便利さの裏に潜むリスクと、いま現場でできる対策~
なぜ危機感が薄れてしまうのか?──“セキュリティ慣れ”が招く見落とし
前回は、防犯カメラのセキュリティが甘くなる理由を技術面からお伝えしました。 今回は、「なぜ危機感が薄れてしまうのか?」という人・組織の問題を見ていきます。
1. 「問題が起きていない=安全」という錯覚
現場では、「今までトラブルがなかったから大丈夫」と考えがちです。 しかし、防犯カメラのリスクは“静かに進行”します。 映像が見られる=安全ではありません。 「誰に見られていないか」が重要です。
2. IT担当がいない組織の“責任の空白”
介護施設や保育園、食品工場では、専任のIT担当がいないことが多く、
設定や更新が放置されがちです。
責任の所在が曖昧なまま運用されると、
守るためのカメラが「情報漏えいの入り口」になることも。
3. 「セキュリティは専門家の仕事」という誤解
パスワード変更やネットワーク分離など、 基本的な対策は現場でも実施可能です。 「専門家でないから何もできない」という意識が、 最大のリスク放置につながります。
4. 「便利さ」を理由にリスクを後回しにしてしまう
「スマホで見たい」「利用者にも見せたい」など、 便利さの追求がリスクを増やすこともあります。 便利さを選ぶなら、それに見合う慎重な設定が必要です。
まとめ
危機感の欠如は怠慢ではなく、「仕組みと意識のギャップ」から生まれます。 ネットの世界では常に攻撃の対象になっている―― この現実を“知る”ことが第一歩です。
次回予告:
“見られないように守る”ための3つの視点。すぐにできる防犯カメラセキュリティ対策とは?




