「5G導入促進税制」の廃止!どんな影響がありますか?
2020 年の通常国会における所得税法などの一部を改正する法律案の成立により、「5G 導入促進税制」が導入されました。高速・大容量の通信規格「5G」インフラの整備を支援する目的で企業向けの税制の優遇措置です。
この、「5G導入促進税制」、経済産業省などが一定の役割を果たしたとして2025年3月末を期限に廃止することを要望しました。自民党税制調査会は、2024年12月2日の会合で「5G 導入促進税制」廃止を認めました。
5Gインフラ整備のペースに変化が
短期的な影響としては、税制優遇がなくなることで、企業が新たな5Gインフラ整備や関連設備の導入に消極的になる可能性が考えられます。特に、地方や過疎地域での5G展開に遅れが生じる恐れがあります。
また、長期的な影響としては、税制優遇の終了後も市場競争や需要増加により、5Gの展開は続くと予想されますが、コスト負担の増加が企業の意思決定に影響を及ぼす可能性があります。
通信業界への影響は?
通信インフラの整備に大きな資本を投じる必要がある大手通信キャリアにとって、税制優遇がなくなることで投資計画の見直しが求められるかもしれません。また、税制優遇は中小規模の通信事業者にとって特に重要でした。終了によって、これらの事業者が地方での5G展開を続けるのが難しくなる可能性があります。
一般消費者への影響
地方での普及が遅れ、地域間の5G普及の格差が広がる可能性があります。大都市圏では5Gの利用が進む一方で、地方では利用可能エリアが限られることが懸念されます。
また、企業の負担増がサービス料金に転嫁される可能性があり、5G関連サービスやデバイスの価格が上昇するリスクがあります。
産業全体への影響
5Gが必要な新興技術(IoT、スマートシティ、産業用ロボット、遠隔医療など)を活用した事業展開が遅れる可能性があります。
ただし、5G導入促進税制が終了したとしても、新たな補助金や政策が導入される可能性もあり、影響は限定的になる場合もあります。
まとめ
5G導入促進税制の終了は、短期的には整備のペースを鈍化させる可能性がありますが、通信業界全体や政府の取り組みによってその影響が緩和されるかどうかが鍵となります。具体的な影響は、今後の政策や市場の反応に大きく左右されるでしょう。