医療DX2025.08.20(更新日:2025.08.01)

会社に1台、専用サーバーを導入するなら “WindowsServer” を選ぶべき理由

多くの中小企業では、ファイル共有や業務アプリの動作環境として、社内に「専用サーバー」を1台導入することを検討されるケースがあります。その際によくある質問が、

「サーバーにも、いつものWindows(Windows 11など)を使えばいいんじゃないの?」

という疑問です。一見すると、Windows 11の方が慣れていて操作も簡単に思えるかもしれません。しかし、会社に置く「専用サーバー」には “Windows Server” を選ぶべき明確な理由がいくつもあります。

今回はその理由と、Windows Serverの特徴、企業導入のメリットを解説します。

なぜ「Windows 11」ではダメなのか?

まず、Windows 11はあくまで「クライアントOS(利用者向け)」です。普段使っているパソコンにインストールされているOSですね。メールやExcel、Webブラウジングといった“ユーザーが操作する”前提で作られています。

一方、サーバーは「サービスを提供する側」です。複数の社員がアクセスするファイルサーバー、業務アプリのデータベース、プリンタ共有、リモートアクセスの窓口など、多人数を安定して支える必要があります。

Windows 11でも簡易的なファイル共有は可能ですが、次のような制限があります。

  • 同時接続数の制限(最大20台程度)
  • ネットワークサービスの不安定さ
  • 再起動時のアップデート制御が難しい
  • 権限管理やバックアップ機能が弱い

つまり、“業務インフラ”として使うには不安定で非効率なのです。

「Windows Server」がサーバーに最適な理由

① 同時接続が安定・大量に可能

Windows Serverは、多数のユーザーからの同時アクセスに対応できるよう設計されています。例えば、ファイル共有やプリンタ共有、Active Directory(ドメイン管理)などにおいて、同時接続数が事実上制限されません

中規模オフィスや、複数拠点からのリモートアクセスでも安定稼働が可能です。


② サービスの管理・制御がしやすい

Windows Serverには、以下のような「サーバー専用機能」が豊富に用意されています。

  • Active Directory(ユーザーやPCの一元管理)
  • DHCPサーバー(IPアドレスの自動配布)
  • DNSサーバー(内部名解決)
  • ファイルサーバー管理(アクセス権限の詳細設定)
  • リモートデスクトップサービス(RDS)

これらはWindows 11では基本的に使用できず、企業における運用には必須の機能です。


③ 自動再起動や強制更新を防げる

Windows 11では、定期的なWindows Updateによる再起動が自動で実行されることがあります。業務中に再起動がかかってしまえば、共有ファイルが使えなくなるなど、業務に支障をきたします。

Windows Serverでは、更新のタイミングを管理者が細かく制御可能です。深夜に自動更新・再起動させたり、しばらく保留するなど、業務への影響を避ける運用が可能です。


④ 安全性・バックアップ機能が充実

企業のデータを守るには、万が一の障害にも備える必要があります。Windows Serverは以下のような機能で、それを支えます。

  • シャドウコピー(履歴保存)
  • バックアップスケジューラ
  • RAID構成の管理
  • グループポリシーによる操作制限
  • 管理者権限の細分化

特に、社員が誤ってファイルを削除した場合の「復元」や、ウイルス被害からの「復旧」を素早く行える点が評価されています。


専用サーバーが1台あることで会社が得られる安心

小規模なオフィスでも、以下のような課題が1台のサーバーで解決できます。

  • 社員のPCを一元管理して、セキュリティリスクを低減
  • 勤怠・業務アプリの安定した稼働
  • ファイルを「個人保存」ではなく「共有保存」に切り替えて業務効率化
  • テレワークや出張先からのリモートアクセス対応
  • プリンタやスキャナの一元共有

これらを、安定して・長期間にわたって提供できるのがWindows Serverの強みです。


最後に:導入は“最初が肝心”

Windows Serverを用いた専用サーバーの導入には、初期設定の段階が非常に重要です。特に以下のような点は専門業者との連携をおすすめします。

  • サーバー機のスペック選定(CPU・メモリ・ストレージ)
  • 適切なWindows Serverライセンスの選定
  • Active Directoryやファイル共有の設計
  • バックアップと復旧設計
  • リモートアクセスやVPNの構成

一度きちんと設計しておけば、後の運用は格段に楽になります。

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