医療DX2026.02.25(更新日:2026.01.29)
介護施設のWi-Fiで「ゲストSSID」を使っても大丈夫?
眠りスキャン・AAMSへの影響を考える
介護施設では、
- 眠りスキャン
- AAMS(見守り・記録系システム)
といった、Wi-Fiを使った業務システムが当たり前になってきました。
一方で最近よく聞くのが、
「そのアクセスポイントで、入居者さんにもWi-Fiを使ってもらえませんか?」
というご相談です。
では、業務で使っているアクセスポイントに、ゲスト用SSIDを追加しても問題はないのでしょうか?
結論から言うと、条件次第では影響が出る可能性があります。
結論:影響は「あり得ます」
同じアクセスポイント(AP)で
- 業務用(眠りスキャン・AAMS)
- ゲスト用(入居者のスマホ・タブレット)
を同時に使うと、アクセスポイントに負荷がかかり、業務通信に影響が出る可能性があります。
「Wi-Fiがつながっている=安心」ではない、という点が重要です。
なぜ影響が出るのか?
① 通信帯域は“共有”される
アクセスポイントは、1台で使える通信量に上限があります。
入居者が
- YouTube視聴
- 動画通話
- アプリの自動更新
を始めると、その通信も同じAPの帯域を消費します。
結果として、
- 眠りスキャンのデータ送信が遅れる
- AAMSの通信が不安定になる
といったことが起こり得ます。
② 接続台数が増えると処理負荷が上がる
眠りスキャンや見守り機器は、台数が増えるほど安定通信が重要です。
そこに
- 入居者のスマホ
- ご家族の面会時の端末
などが加わると、AP側の処理が追いつかなくなるケースがあります。
特に、一般的な業務用APでも、同時接続20~30台を超えると性能低下が出ることは珍しくありません。
③ 無線は「空気の取り合い」
Wi-Fiは有線と違い、同じ電波を順番に使う仕組みです。
SSIDが増える=
- 管理通信が増える
- 電波の待ち時間が増える
ということになり、リアルタイム性が求められる業務通信ほど影響を受けやすいのです。
特に注意すべき理由(介護施設ならでは)
眠りスキャンやAAMSは、
- 「多少遅れてもいい通信」ではありません
- データ欠損・遅延が事故やクレームにつながる可能性があります
つまり、
「つながるかどうか」より「常に安定しているか」が最重要です。
安全にゲストWi-Fiを提供するための考え方
方法①:業務用とゲスト用をVLANで分離する
- 同じAPでもネットワークを論理的に分離
- 業務通信を優先(QoS設定)
最低限、これができない構成はおすすめできません。
方法②:ゲスト用は別アクセスポイントにする(推奨)
- 業務用AP:眠りスキャン・AAMS専用
- ゲスト用AP:入居者Wi-Fi専用
もっとも安全で、トラブルが起きにくい構成です。
方法③:ゲストSSIDに速度制限をかける
- 1端末あたり 1~2Mbps 程度
- 動画視聴の影響を抑える
「どうしても同一APで」という場合の最低限の対策。
まとめ
介護施設でのWi-Fiは、
「便利さ」より「業務の安定性」が最優先です。
- ゲストSSIDを同じAPに載せることは可能
- ただし、設計を誤ると業務に影響が出る
- 特に眠りスキャン・AAMSでは慎重な構成が必要
“なんとなくSSIDを追加”は危険
最初から分離前提で考えることが重要




