UPS・蓄電池2025.01.22(更新日:2025.01.09)
「UPS(無停電装置)」・どうやって選ぶの?
UPS(無停電電源装置)の選定方法は、使用目的や設置環境によって異なります。以下のポイントを考慮して適切なUPSを選定してください。
UPSの「方式」を選ぶ
UPSには大きく分けて以下の3つの方式があります。それぞれの特徴に応じて選択してください。
(1) 常時インバータ給電方式(オンライン方式)
- 特徴:高品質な電力供給が可能。電源が切り替わる際の瞬断がない。
- 使用例:データセンターや医療機器など、電力品質が非常に重要な環境。
(2) ラインインタラクティブ方式
- 特徴:小規模システム向け。停電時はインバータが作動し、コストと性能のバランスが良い。
- 使用例:中小企業のサーバーやネットワーク機器。
(3) 常時商用給電方式(オフライン方式)
- 特徴:コストが低い。短時間の停電や電圧変動対応に適する。
- 使用例:家庭用PCや個人の小規模システム。
バックアップ時間を考慮する
停電時にどれくらいの時間、機器を稼働させる必要があるかを決定します。
- 短時間バックアップ(5~10分)
→ シャットダウン操作を行うための時間を確保。一般的な小規模UPSで対応可能。 - 長時間バックアップ(数時間以上)
→ バッテリー容量の大きなUPSや外部バッテリーを追加可能なモデルが必要。
必要な容量を計算する
UPSの選定で最も重要なのは、接続する機器の消費電力を把握し、それに応じた容量(VAまたはW)を持つUPSを選ぶことです。
計算手順:
1.接続機器の消費電力を確認
- 機器の消費電力(W)またはVAを確認します。
- 消費電力(W)と力率(PF)からVAを計算します:
VA = W ÷ 力率(通常は0.9~0.8程度)
2.消費電力の合計を計算
- UPSに接続予定のすべての機器の消費電力を足し合わせます。
3.余裕を持った容量を選定
● 実際の消費電力の1.2~1.5倍程度の余裕を持たせた容量を選びましょう。
設置環境・場所の確認
- サイズ・重量:設置スペースにUPSが収まるか確認。
- 騒音:騒音が気になる環境(オフィスや家庭)では静音モデルを選ぶ。
- 動作温度と湿度:環境条件に適した耐久性を持つUPSを選択。
- 接続ポート:接続する機器のインターフェースに合ったモデルを選ぶ(USB、LANなど)。
その他の機能を検討する
- 通信機能:リモート監視や自動シャットダウン機能。
- 保守性:バッテリー交換が容易か。
- 保証期間:メーカー保証やサポート体制。
メーカーやブランドの信頼性
UPSは長期的に使用する機器のため、信頼性の高いメーカーを選ぶことが重要です。以下は代表的なUPSメーカーです:
- APC(シュナイダーエレクトリック)
- オムロン
- Eaton
- CyberPower
- 山洋電気
選定例
中小企業のサーバー用
- 容量:1500VA
- 方式:ラインインタラクティブ方式
- バックアップ時間:10分程度
- その他:LAN接続によるリモート監視機能
家庭用PC
- 容量:500~700VA
- 方式:常時商用給電方式
- バックアップ時間:5分程度
- その他:コンパクトで静音性の高いモデル
まとめ
ご希望の使用環境や予算に応じた具体的な機種の提案も可能ですので、詳細を教えていただければさらに絞り込むことができます!